2012/09/02

プルーシール(その1)

読谷ターミナル行きバスは快調に進み国道58号線を北上しつづけ、浦添市に入った。左手の海沿いには米軍関係の施設が次々と現れては消えて行くが、記憶にあるようなファントム戦闘機の姿は見えない。

(米軍基地も昔とはいろいろ変わっているのかもしれない・・・)

バスの終点ターミナルの「読谷」は「よみたん」と読む。そうか、谷という漢字は少しなまって「たん」と読むのかと思ったが、物事はなんでもそう簡単ではない。読谷の手前には「北谷」というバス停があり、これは「きたたん」ではなく「ちゃたん」と読む。

バスが読谷ターミナルまで行くには1時間以上かかるらしい。子供が幼稚園に毎日通えるのは一体どのくらいの距離だろうか? 僕は那覇から黄色いスクールバスに乗せられてアメリカン・スクールに通っていた。

(でも、どう考えても1時間以上ドライブして幼稚園に通っていたとは思えない。)

そうこう考えていると、国道わきの柵の向こう側に垂直尾翼が二枚立った戦闘機の姿が見えた。

(あっ!!)

あわてて周囲を見渡すが、学校の入口らしきものは見えない。

(・・・・・・・・・・・)

やがて、国道58号は米軍基地から離れるように大きく右にカーブして戦闘機の姿はあっという間に後ろに消えて行った。と、そこに見覚えのある店舗が現れた。

(あっ、ブルーシールだっ!!)

僕はあやうくバスの中で大きな声をあげそうになった。この少し下り坂の大きなカーブの終わりに出現するブルーシールは昔、親につれていってもらった記憶にある店の感じと一致する。

でも、あのブルーシールが幼稚園の行き帰りの道にあったはずはない。もし途中にそんなものがあれば子供は絶対に覚えている。ブルーシールはもっと遠くのビーチなどに行った帰りに寄ってもらえるところだったのだ。

(つまり、学校はこれより手前ということになる・・・・)

今でこそブルーシールは本土にも出店したりして有名になってきているが、だからといっていつでも食べられるというわけではない。僕は次のバス停で降りて、なつかしのアイスクリームを食べに行くことにした。



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